特集 訪室を避けたいと思うとき—一般病棟でのターミナルをめぐる諸問題
【座談会】ターミナル期の患者・家族がみた看護婦の後ろ姿
柳原 清子
1
,
椚 計子
2
,
中野 貞彦
3
1日本赤十字武蔵野短期大学
2ガン患者と家族の会「どんぐりの会」
3どんぐりの会分科会「青空の会」
pp.132-138
発行日 1999年2月1日
Published Date 1999/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905768
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状態が悪いほど感じる看護婦の一挙一動
柳原 私は1997年に父をがんで亡くしております.ただそのとき,私自身は看護職でありながら,あまり看護婦の姿を意識しなかったように感じています.自分が夢中だったせいかもしれませんが,看護婦の存在をあまり感じないでターミナルまでいってしまいました,そこで今日は,患者本人や家族から,いったいどんなふうに医療者がみえるのかというあたりの本音を聞かせいただきたいと思ってます.まずは簡単に自己紹介をお願いします.
椚 私の夫が50歳のときに肝臓がんになりました.1987年に「生きがい療法実践会」というところが主催した「がんに負けずにモンブラン登山」に夫とともに参加したのですが,帰国後毎日,がん患者や家族の方々からの相談電話があったんです.自営だったのですが,食事も商売もできないくらいの数でした.夫ががんになった当初,相談する人がいなくてすごく苦しんだわけです.それで患者会を作ろうと,1988年に「どんぐりの会」を立ち上げました.会の名前は「椚から生まれたどんぐり」ということです.
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