ベッドサイドの看護
予後の告知を受けず死を受容した進行性鼻壊疽患者の看護
印部 厚子
1,2
,
加藤 由美子
3
1北海道立衛生学院看護婦科
2札幌医科大学附属病院
3札幌医科大学附属病院
pp.485-489
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922272
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耳鼻科領域は,話す,聞く,食べるおよび呼吸をするなど,人が生きていく上で最も基本的な機能を持つ臓器である.そのため,病気により障害されることで,日常生活に及ぼす影響は測り知れず,さらに顔貌が変化することは,社会生活を営む上でマイナスな面を生じやすいため,精神的苦痛を伴うことが多い.
進行性鼻壊疽は,鼻の壊死や肉芽腫性病変を来しながら死に至るという極めて予後不良な疾患である.今回,ここに報告する患者Ⅰさんは,最後までひたむきに生きようとしたにもかかわらず亡くなられたケースである.振り返ってみると,死を迎えるまでのⅠさんの心の内に生じた様々な変化がよく理解され,さらに,予後の告白が死の受容に結びついたと考えられるので,本事例を紹介したい.
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