特集 看護にとっての大学教育—私の大学教育論
大学教育に求めたもの,得たもの
新鞍 真理子
1
1東京キリスト教病院内科病棟
pp.44-49
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922176
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なぜ,一般大学を選んだか
看護教育を受け,臨床実習を通して,私が最も強くひかれたのは患者さんの心の動きであった.肉体も精神も含めた,1人の人間としての存在そのもので訴えてくる患者さんの心の叫びのようなものがあると思えた.
病気に対する不安,死の恐怖,将来に対する悲観などが言葉にはっきり表われる場合もあるが,言葉にならずに内に秘め,悶々と闘っている場合もあった.このような状況にある患者さんに出会うと,何とか乗り越えてほしいと思うが,そこに私が看護婦としてどう援助してよいのか分からない.何かを説明して軽減される不安ではないように思った.だが,患者さんにとって重要な看護としての援助であるように思えた.
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