特集 看護にとっての大学教育—私の大学教育論
看護大学教育と看護学—学生から見た看護大学教育
本田 育久
1
1九州大学医療技術短期大学部看護学科
pp.50-55
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922177
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現在,看護学は,他の学問,例えば医学や物理学,法学,哲学などの学問の下位にあると見られており,特に医学に対しては,それに従属するものとの見方が強い1).現在の各科看護学の内容を見てみると,単に医学を薄めたものに「看護学」という名称が付け加えられているだけのように見える.そしてそのことが,教育の場においても,医療の現場においても,途方もない混乱を引き起こしているようである.
「看護は観察に始まる」と言われるが,観察した事柄から何らかの結論を引き出して初めて「観察をした」と言えるのに,ただとにかく詳細に,克明に,見たままを記録して,それを申し送りすることが第一義とされるような,膨大なエネルギーの消耗.
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