特別寄稿
闘病生活雑感—患者になって見えてきたもの
榛葉 由枝
1
1岡村記念病院看護部
pp.1259-1263
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921565
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青天の霹靂
青春の足跡が確かめたくて,この夏は十数年ぶりに,アルプスに登ってみようと思っていた.それにしては,お腹のあたりの脂肪も気になるし,体力もすっかり衰えてしまった感がある.思いたって,早朝トレーニングを始めた.1分も走れば青息吐息だったのが,2か月ばかり過ぎたころには,足腰に力がつき,プロポーションもなかなかのものになっていた,‘シメシメ,この分なら’と,すっかり槍ケ岳や穂高を歩いているつもりになっていた.
ところが,山の天気が急に変わるように,病気などとは縁がなかった私の体に,急変が起きたのである.
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