特集 危機状況にある患者の理解と看護の役割
片麻痺と失語症を持った患者の場合—脳卒中患者の障害受容過程における看護の役割
北代 直美
1
,
菅原 和恵
1
1七沢リハビリテーション病院脳血管センター
pp.1135-1140
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921540
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はじめに
人間は,普遍的な日常生活を送っている時,急激な変化に直面すると,否認・抵抗などの心理状態を示すものである.一時を境に,身体に何らかの障害を残した場合,その障害が非可逆的なものであれば,それを受容することは大変な困難を伴う,佐藤1)は,障害の受容を‘障害の存在を認め,自己の能力の限界を現実的に認識し,なおかつ積極的に生きぬく態度を持つこと’と述べている.すなわち,受容とは,高瀬2)のいう価値の変容である.脳卒中の場合,脳に損傷があることから,障害の受容は他の障害とは異なる幾多の問題を抱えることになる.
今まで行なってきた脳卒中患者への看護を振り返った時,患者の障害受容へのアプローチは消極的であった.
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