学生の広場
老人の服薬の現状と心理の分析
南迫 順子
1
,
吉村 千鶴
1
,
溝部 マリコ
1
1信貴山看護専門学校
pp.671-673
発行日 1986年6月1日
Published Date 1986/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921437
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はじめに
厚生省の昭和58年度調査1)によれば,70歳以上の老大は5人に1人が医療機関に受診し,その殆んどが服薬をしているという報告がなされている.また,老人医療費改正が行なわれ,1割の負担が強いられた今日でも,70歳以上の受診は5人に1人という高値である1).更に現在では,人口の高齢化が年々進んでおり,老人の健康管理に各種薬剤等が用いられる機会がますます増えると予想される.
老人は,自己中心主義,頑固,わがまま,愁訴のあいまいさなどの特有な気質を持つことから,時として必要な薬も確実に服用していないことさえあると言われる2).私たちも看護学生としての臨床実習を通じて,同様の経験をすることが多かった.そこで今回,老人の服薬の実態と薬に対する考え方を知るために,養護老人ホーム入所者を対象にアンケート調査を実施・分析したので,その結果をここに報告し,諸姉の御批判を仰ぎたい.
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