保健行政スコープ
老人訪問看護事業の現状について
関山 昌人
1
1厚生省老人保健福祉局老人保健課
pp.453-455
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901064
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1.はじめに
日本の高齢化のスピードは先進諸国に比べ早く,寝たきりや痴呆といった要介護者になりやすい後期高齢者の人口比率は平成4年で5.2%,平成32年12.5%と増加し,高齢化社会から高齢社会に向かっている.このため,今から高齢者にとって住みやすい環境を整備しておくことが必要である.高齢者にとっては,病院や特別養護老人ホームといった施設での療養より,住み慣れた家庭や地域社会での療養が,高齢者のQOL(生活の質)の確保につながるところである.そこで,平成4年診療報酬改定から,介護を必要とする老人が安心して在宅療養が送られるよう,かかりつけ医との連携の下に老人訪問看護を提供するシステムとして,「老人訪問看護事業」が創設された.老人訪問看護ステーション数は,平成6年1月末には340カ所,平成11年には5,000カ所を目標としている.本稿では,老人訪問看護事業の今日の状況を紹介したい.
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