研究と報告
評価基準表を使用しての失語症患者へのアプローチ
伊藤 タカ
1
,
安原 保江
1
,
佐藤 貞子
2
,
江川 順子
3
,
工藤 良子
3
,
落海 真喜子
3
,
鈴木 雅子
3
,
後藤 昭子
3
,
岡田 康子
3
1順天堂大学医学部付属順天堂医院
2順天堂看護専門学校
3東京医科歯科大学付属病院
pp.427-432
発行日 1986年4月1日
Published Date 1986/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921382
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はじめに
今日日本では,脳血管障害の患者が多く,頭部外傷も少なくありません.これらの原因による死亡率は高く,原因別の統計的データで第3位を占めています.この障害の結果として二次的に引き起こされる失語症(一時的な問題で終わることもあるが……)の患者に,私たちは,しばしばベッドサイドで関わることになります.人間は,基本的な欲求としてのコミュニケーションを除外しての生活は,非常に困難であると言えます.日本では,現在言語治療士が非常に少なく(約750人),その不足にいつも悩んでいます.しかも言語治療士のほとんどが,急性期を脱したリハビリテーションセンターに働いており,一般病院ではSTの協力を得ることが非常に難しい現状です.
このような状況の中で,私たち看護婦は失語症患者のベッドサイド看護の中で,患者とコンタクトをとり,患者のニードを把握したり,意識レベルを観察したり,更に精神的なサポートをするなど大変重要な役割をとることになります.私たちは,失語症患者に対して看護婦ができるアプローチ法をぜひ考えてみたいと思いこの研究を始めました.
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