学生の広場
死を知る患者の精神的援助を考える—進行性筋ジストロフィー症児たちとのかかわりから
野原 幸恵
1
1国立岩国病院付属看護学校
pp.63-68
発行日 1986年1月1日
Published Date 1986/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921300
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はじめに
‘看護とは,患者を取りまく全ての環境を患者の生命力の消耗を最小にするように整える事を意味すべきである’とは,ナイチンゲールの“看護覚え書”の中の有名な一節である,“生命力”とは‘生物が生物として存在できる本源の力’である.つまり,ここで言われる“看護”とは,“生きる者”への看護と言えるであろう.
では,現在の医学では治療不能な,言い換えるならその病気の将来に確実な“死”が待っている疾患を持つ患者に対してはどうであろうか,進行性筋ジストロフィー症がその疾患の1つに挙げられる.
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