連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・22
エリクソンに学ぶケアの意味[2]
木下 康仁
1
1立教大学社会学部
pp.608-611
発行日 1988年6月1日
Published Date 1988/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922019
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エリク・H・エリクソンの人間発達理論は人の一生を8段階に分け,それぞれの段階毎に心理社会的な発達課題と発達上の危機とを対の形で提示している.また,課題が達成されたときにその人が獲得できる人格的な強さ,すなわち,“virtue:生きる力”をも段階別に明らかにしている.
彼の理論の概要とその中で,私たちが関心をもつ部分については前回論じた.少し復習しておこう.8段階は乳児期,幼児期,遊戯期,学童期のこども期,青年期,そして若い成人期,成人期,老年期からなるおとな期に大別される.なかでもおとな期は時間的には緩やかに考えられており,私たちが問題とする成人期については特にそうである.
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