痛みの臨床・17
非麻薬性鎮痛薬の使い方—[Ⅰ]アスピリン
中島 美知子
1,2
1ニューホープ・ベインセンター
2オリブ山病院
pp.1049-1052
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921190
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最近アスピリンが癌性痛治療の中で見直されてきている.骨転移の痛みに対しては,モルヒネよりも効果が優れているとさえいわれるほどである.それは,最近になってアスピリンの作用機序である,プロスタグランディン(PG)合成抑制作用が発見され,骨転移局所においても骨吸収にはPGE2が関与して痛みを与えていることが分かってきたからである.
このように,アスピリンが痛みの原因である局所に働く末梢性鎮痛薬であるのに対し,先回まで述べたモルヒネを中心とする麻薬性鎮痛薬は脳・脊髄における痛みの伝導路に働く中枢性鎮痛薬である.
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