グラフ
残された時、心豊かに過ごしていただきたい—オリブ山病院でのホスピス活動
与那原 宣彦
1
,
中島 美知子
1
,
吉見
1ホスピス病棟
pp.1216-1221
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920916
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国里さん(仮名・写真の患者)は肺癌の末期.もう癌が全身に転移している.病名ははっきりとは告げられてはいないが,自分ではもう長くはないことを知っている.最近洗礼を受け,自分の葬式のこともすでに頼んでいて,とても落ち着いた生活を送れるようになった.
今は穏やかな表情が浮かぶ国里さんだが,若いころに両親が死に,つらい青春時代を送っている.東京で働いたこともあるが,結婚生活にも破れ,老人ホームに入り病に倒れ,ここオリブ山病院に入院するようになった.今までは落ち着く所はなく,歓迎してくれる人も少なかった.しかし,人生最後の時になって,やっと歓迎してくれる人,落ち着いて生きることができる場所を見つけることができたようだ.
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