CHECK IT UP 日常ケアを見直そう・28
[消毒2]—院内感染防止に果たす看護婦の役割
川島 みどり
,
看護ケア再検討グループ
pp.372-375
発行日 1984年4月1日
Published Date 1984/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920739
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ナイチンゲールの残した数々の逸話の中に,死んだ馬と水源の話がある.つまり,ナイチンゲールが,クリミヤの病院の上下水道を整備したり,衛生委員会の設置を要求するにあたって,使用後の浴槽の水がきちんと排水できるかどうか,自分で見張りに立った時のことである.彼女が発見したのは,病院への給水が,馬の死体を通って流れてきていたというのである.これでは,病人に汚染した水で薬をのませるということになる.
この話は,ちょうど,不完全な消毒過程や,いい加減な操作で滅菌物や消毒済のものを取り扱うのと同じ構造ではないだろうか.院内感染のメカニズムは決してこのように単純なものではないにしても,まず基本的なことから見直す必要のあることを痛感する.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.