特集 援助のなかの“ずれ”
“ずれ”への気づきと看護のかかわり
宮崎 徳子
1
1国立療養所東名古屋病院看護部
pp.32-35
発行日 1984年1月1日
Published Date 1984/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920667
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援助のなかの“ずれ”への気づきとは
私たち看護婦は,健康問題に対する援助者であると同時に,人間である患者さんの生活の援助者でもあると常に言われているが,看護の援助活動と,人間である患者との受け取りの“ずれ”,またそれを甘受しなければならない患者の人間としての哀しみが,常に看護活動のなかにはあることを学ばなければならないと近ごろ考え続けている.
しかし,この“ずれ”や患者の哀しみに気がつかないままに終わってしまったり,また看護婦が行う援助活動に対して,患者はとやかく言うのではなく,それに従うのが当然であると,深く意識もしないでいつの間にか,そう考えていたり,あるいは何も考えず忙しく働き,1日が終わってしまうということがないだろうか,人間の生活の援助者という立場にある私たち看護者の援助への振り返りは,“人間である患者”ということを深く考えることに基盤を置かなくてはならないのではないかと思う.
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