心病む人とともに 精神科病棟での日日・12【最終回】
心病む人々に支えられて
三宅 富貴子
1
1東春病院看護部
pp.1406-1407
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920025
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転勤を決意して,それまでの13年余のことを振り返りこの原稿を書いたのが去年の3月.長い間勤めた大学病院を辞め,それまでとは設置主体の異なる民間の精神病院に転勤したというだけのことで,別段人に話すほどの出来事ではない.しかし,私にとって大きな変化であった.また,10年余りもお世話になった職場に,ただお礼を言って去るだけでは何となくふっ切れぬものがあって,厚かましいとは思いつつ,ごく近しい人だけにこの原稿を読んでいただくことにした.
それを読まれたK先生のご仲介で本誌への連載ということになり,うれしいやら恥ずかしいやら…….自分の書いたものが活字になるということの面映ゆさと同時に,もう少しうまく書けなかったものか……と力のなさに歯がゆい思いをしてきた.ペンの拙さは読んでくださった方に首をひねらせるような結果をもたらしたかもしれない.しかしこれは,大学病院の精神科に13年半勤務してきた1人の看護婦の,懐かしい思い出と正直な感想であると思っていただければ幸いである.冒頭に書いたように,過去を振り返るにはまだまだ早すぎるかもしれないけれど,この振り返りを機に新たな前進を目指そうと自らに期待をかけ,新しい職場に移って既に1年余が過ぎた.この間,実に様々なことを経験した.
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