書評
—日野原重明著—「病む心とからだ」
長谷川 泉
1
1医学書院編集部
pp.22-23
発行日 1958年10月10日
Published Date 1958/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201737
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著者日野原重明博士は聖路加病院内科医長で「水と電解質の臨床」「オスラー博士の生涯」などの著書がある.ナースの方々には「高等看護学講座」の「解剖・生理学」「医学概論」「薬理学」また「看護学教科書」の編集者でかつこのシリーズの「解剖・生理学」などの著者であると言つた方が親しみが持てるかもしれない.「ナーセス・ライブラリー」にも「解剖・生理学の要点」や「性と結婚の科学」などの著があり,ナース教育の面では大きな足跡を残しておられる.その文章は平明で,要点を尽しており,達意の文であることは定評がある.
「水と電解質の臨床」は,目下脚光を浴びている新しい問題にとり組まれたモノグラフである.勿論医学の専門書であるが,これを読んだドクターが,実に要領よく分り易くまとめられているのに一驚を喫したと語つているのでも,そのことが察せられる.今度の新刊は一般人を対象に分り易く書かれたもので,収められた原稿の中には若いドクターやナースを対象に書かれたものもないではないが,正しい医学や看護のあり方を一般人にも啓蒙する意味で有意義に読まれる.そのことをさまたげる難解なところはない,ドクターやナースから,一般人にすすめて欲しい本である.
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