特集 訪問看護—現在の実践レベルは?
訪問看護の実践レベル—現状とこれからの課題
原 礼子
1
1日本看護協会調査研究室
pp.999-1003
発行日 1983年9月1日
Published Date 1983/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919937
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はじめに
訪問看護についてはこれまでにも多くの人たちが,その必要性を主張するとともに,訪問看護を取り巻く状況と問題点について指摘してきた1).現時点でもそれらの指摘が当てはまるものもある.今年2月1日から老人保健法が施行され,市町村が行う保健事業の項目の中に‘訪問指導’が盛り込まれ,老人診療報酬の規定に基づく‘退院患者継続看護・指導料’が設定されて,訪問看護は市町村でも,病院や診療所,また開業医からでも行えるようになった.訪問看護が保健医療システム全体の中に位置づけられる可能性が見えてきた現在,看護職は何に取り組むべきなのだろうか.
日本看護協会では,上述のような訪問看護をめぐる状況や動きを踏まえ,今年4月に“訪問看護—どういうひとに,どんなことを”という小冊子を作成した.これは,先駆的に市町村における訪問看護事業を手がけ,試行錯誤を重ねながらそれぞれの地域で訪問看護事業を定着させてきた人たちの協力によってまとめられたものだが,それは次の2つの目的を持っている.
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