特集 特定療養費制度の拡大と病院の対応
特定療養費制度の現状とこれからの課題
武田 俊彦
1
1厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室
pp.534-539
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100637
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わが国の医療保障制度と特定療養費導入の基本的考え方
公的医療保障制度においては,国としてどのような医療を国民に保障するか,という考え方の違いを反映して,給付の範囲や患者負担のあり方が国により異なっている.民間保険を中心として,高齢者や低所得者などに限って公的医療保障制度を提供するアメリカでは,給付の範囲についても様々な制限がある.また,英国のように国営の医療を基本とする国もあり,医療の保障範囲も広く考えられている.
技術的には,保険商品としては,給付内容と保険料負担の水準に応じて様々な保険設計が可能であるが,公的医療保険として制度化される場合には,その国の社会保障のあり方や医療のあり方を反映して,民間の保険商品とはその性格を異にした設計が行われることはいうまでもない.
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