ベッドサイドの看護
人間性の回復を求めて患者と共に歩んだ過程—17歳のてんかん病者へのかかわりから
井上 弘子
1
1北海道大学医学部付属病院精神科
pp.782-788
発行日 1983年7月1日
Published Date 1983/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919890
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患者への看護はチーム医療という組織の中で行われているが,本質的なケアそのものはあくまでも1人の患者と1人の看護者,個と個の関係の中に成立している.従ってチームは,この両者の関係がより深まり積み上げられるように支え,機能してゆくことが望ましいと思われる.
この度,病院を安住の地と考え,頻回に攻撃的・破壊的反応を繰り返していた患者が,ある事件を契機に好転し,社会での自立への道を踏みだした1事例を通し,チーム全体の看護としては得られないものが,個と個のかかわりの中ではぐくまれたことを知り,個別看護の重要性を再確認する機会を得た.
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