特集 ゆがむ母子関係と病む子供
非行に走ったA君との1年6か月のかかわりから
長島 衛
1
1新潟県立小出病院精神科病棟
pp.777-780
発行日 1983年7月1日
Published Date 1983/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919889
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はじめに
少年非行の問題は近年増大の傾向にあり,特に‘万引き’は中学生の段階から小学生低学年層のところへまで浸透しているといわれている.これらのことは,日常生活の中でもしばし話題とされている.
九州大学の杉田峰康氏は‘心の問題さえ解決すれば,非行などの他の問題は解決する.子供の心の成長を見守ることが大切.精神的母子分離ができていない’と発表している(毎日新聞家庭欄,1983年2月15日).しかしこの‘心の問題こそが,私たち看護者や保護者や関係者にとって最も難しい問題である.そしてこの問題にかかわろうとする際の糸口さえも見つからず,暗中模索の中で取り組んでいるのが実情ではないだろうか.
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