特集 看護(みまも)る心の原風景を見つめて
死と向かい合う原風景から—真剣な生にかかわり合うこと
池野 栄子
1
1諏訪赤十字看護専門学校
pp.169-173
発行日 1983年2月1日
Published Date 1983/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919783
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弱い存在としての患者
人と人がかかわり合いを持ち始めるのは,意識しながら徐々に進む場合もあれば,だしぬけにかかわり合いを持たねばならなくなる時もある.Tさんと私が初めてかかわり合いを持ったのは不意な出来事からであった.昼食の膳が配られ,そろそろ昼休みを迎えようと,看護婦室の中はほっとした空気につつまれていた.
‘Tさんがたいへんよ!すごくカッカッしてお膳をほうりだしている!’
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