コーヒーブレイク
ある歴史の風景
屋形 稔
1
1新潟大学
pp.1666
発行日 2006年12月15日
Published Date 2006/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100815
- 有料閲覧
- 文献概要
初夏の訪れたみちのくの一角白河の地で,旧制中学のクラス会が開かれた.卒後60幾星霜であるからもはや再開も望めないという集いで,生存者と逝去者(戦没者も含む)が丁度半々の38名というクラスになった.
出席できたのは17名で,中に昔から口も筆も達者な男が即席の俳句を作って見せてくれた.“友みなの若き集いや初夏の湖”.この湖というのは南湖と呼ばれ思い出深い公園の中にある.これを掘削したのは江戸中期英明の宰相といわれた松平定信で,この地に隠棲し白河楽翁公と名乗ってからである.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.