コーヒーブレイク
朝市の風景
屋形 稔
1
1新潟大学
pp.1140
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904516
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朝市は全国いや世界のどの街でもよく見られる風景である.生活にとけこんだ風景とも言えるし,旅で見たこの風景ほど旅情豊かなものはない.
1966年頃イタリーのナポリで見た朝市のこぼれるくらい積まれたオリーブのつやつやしい色彩は見事であった.1979年にフィンランド(スオミ)を旅して白い都ヘルシンキのロマンチシズムを満喫したが,さらに車で6時間ほど走った古都トウルクも別の味わいがあった.ヘルシンキのロシヤ正教大寺院近くの大市場は冬の長い国の貴重な野菜や果物がふんだんに供給されていたが,トウルクのホテルの前の大広場の朝市も活況を呈していた.公認の移動式くじびき屋があちこちに開かれていたが,試みに1マルカ(100円)を投じて1枚ひいて目覚まし時計を当てたのも忘れ難い.
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