特集 失語症患者へのアプローチ
失語症患者ケア上の留意点
柏木 敏宏
1
1伊豆韮山温泉病院
pp.518-522
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919546
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はじめに
失語症患者の看護については言語治療士(ST)が発言する機会も多く,ニュアンスの差異があるものの看護婦がSTのアプローチとは異なる独自のアプローチをとるべきことが強調されている.鈴木らは失語症患者のリハビリテーション(以下リハと略す)における看護婦の役割を,①病棟における患者の訴えや要求を理解してこれを満たし,また医学的処置やリハ訓練がうまくいくよう患者に助言することと,②病棟におけるコミュニケーションの状況をほかのスタッフや家族に伝えること,として病棟での患者とのかかわりを強調している.また彼らは系統的な言語訓練はSTに任せるべきである1)とも述べている.この点に関しては,筆者も同様に考えている.
しかし失話症患者の日々の病棟生活において,看護婦は最も身近な存在であり,看護婦の接し方は患者に対して大きな影響力をもつ、そこで本稿では,失語症患者のリハにおける看護婦の役割を,言語機能の改善とのかかわりにおいて考えてみたい.
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