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特集 睡眠と精神医学:「睡眠精神医学」の推進
高齢者,認知症患者の睡眠障害と治療上の留意点
Sleep Disturbances in Elderly People and Their Pharmacological and non-pharmacological Treatments
三島 和夫
1
Kazuo MISHIMA
1
1国立精神・神経センター精神保健研究所 精神生理部
1Department of Psychophysiology, National Institute of Mental Health, National Center of Neurology & Psychiatry, Kodaira, Japan
キーワード:
Aging sleep
,
Dementia
Keyword:
Aging sleep
,
Dementia
pp.501-510
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100993
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はじめに
高齢者の睡眠障害は臨床場面で最もよく遭遇する症候の一つであり,慢性経過をたどるケースが多く,本人の苦痛も甚大である。高齢者は睡眠障害の原因となるさまざまな要因を抱えている,①夜間頻尿,痛み,呼吸困難,かゆみなど睡眠障害を誘発しやすい身体疾患の合併,認知症やうつ病など,睡眠障害の原因となる精神疾患への罹患,基礎疾患の治療薬に起因する薬剤性睡眠障害,②もともと基礎代謝が低いのに加えて,日中の精神身体活動が乏しいために睡眠のニーズが減少するなどの睡眠衛生上の問題,③生活の夜型化をはじめとする多様化する生活スタイルへの不適応,④核家族化や独居による孤立不安,退職や死別による心理社会的ストレスなどきわめて多様であり,同時にいくつもの問題を抱えていることが多い。これらの要因の一つひとつが不眠の原因もしくは準備因子となる。
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