特集 失語症患者へのアプローチ
失語症状の観察と治療
田上 美年子
1
1九州労災病院
pp.507-516
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919545
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はじめに
失語症患者に接する人びとにとって,診断・治療・看護の過程でまず大切なのは,患者に関する多くの情報をいかにして正確に得て,患者と適切にコミュニケートできるかであろう.情報を得る手段としては,検査や診察,ことばを媒介としての言語的コミュニケーションはいうまでもなく,医療の場では特に,表情・動作・態度・行動など,ことばによらないコミュニケーションは重要である.特にことばに障害を持つ患者の場合,表情や動作として表出される情報は貴重なものといえる.また,医療に携わる者の表情や態度が患者に与える影響も,はかりしれないものがある.
今回は様々な失語症状を持つ患者を紹介して,それらがどのような意味を持つものであるかを考えてみたい.
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