特集 時代が生む神経症の子供たち
母への甘え,不満,不信を拒食で表現したYちゃんへの援助
川口 麗子
1
,
亀井 クニ子
1
,
名生 敏子
1
,
橘 君子
1
,
堀 源治
1
,
中村 ちよの
1
,
滝本 友子
1
,
猪瀬 雅子
1
1神奈川県立こども医療センター精神療育棟
pp.407-411
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919521
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はじめに
神経性食欲不振症児は,当病棟の入院患者のかなりの率を占めている.病床数40に対して常時2名程度の入院患者がおり,多い場合には6名になったこともある.その症状の特徴として,食事の異常(摂食制限,過食,盗食),強度のやせ,異常な頑張り,治療者を試すような言動,治療者や親に対するすさまじい揺さぶりなどが挙げられる.
神経性食欲不振症児の治療の難しさはよく知られているが,看護もまた困難を極め,日夜,その苦労を体験している.そこで,これら数多くの貴重な経験をもとに,よりよい看護の方法を検討する意味で,これまでも学会や研究会に参加してきたが,ここに1事例を挙げて分析,考察してみることにする.
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