特集 ゆがむ母子関係と病む子供
吐血を繰り返すことで心の苦しみを表現した患児を看護して
亀井 クニ子
1
,
中村 ちよの
1
,
斉藤 恵
1
,
堀 源治
1
,
米山 和子
1
1神奈川県立こども医療センター精神療育部
pp.759-765
発行日 1983年7月1日
Published Date 1983/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919886
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母子関係に問題があると疑われ,某病院から転院して来た4歳の男の子が,吐血という強烈な症状で母親に対する想いを訴えた.その吐血に対して,私たちは身体的な特別の処置をしなかったが,その症状は治っていった.母と子のしっくりいかなかった関係の中で,看護婦は母親的役割を代行した.そして病院を安心できる環境にしたことによって患児は人に対する信頼感をおぼえることができ,家庭に戻っていった.その過程を振り返り,治療・看護経過に基づいて,4期に分け,母と子の変化と看護婦のかかわりについてここに報告する.
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