特集 時代が生む神経症の子供たち
奇行を伴った神経性食思不振症児の看護—養育環境の改善を試みて
鈴木 喜代子
1
1国立千葉病院小児科病棟
pp.413-417
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919522
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年,器質的原因のない身体症状を訴える子供の入院が増加しているといわれている.その身体症状は本人の意識のないところで現れ,神経症と呼ばれている.神経性食思不振症もそのひとつであり,特に幼児期においては,母親の子供への接し方に原因があるといわれている.
ここに紹介するNちゃんは食思不振のために著しい体重減少があり,脱水状態で入院してきた.訴えが正確にできない幼児なので,食思不振の器質的原因を調べ,異常がないことを確かめた.輸液療法などで体力の改善を図っていく中で,精神科受診の結果,母親に問題があることを指摘された.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.