障害児を育てて 母親の手記・3
少しのわがままも甘えも,あってはならない
本橋 澄子
pp.857-860
発行日 1978年8月1日
Published Date 1978/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918469
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幼稚園入園をめぐって,世間の厳しさを知る
昭和37年,子供が幼稚園へ行く年齢になったとき,A病院の幼稚園へ入園させたいことを担当の先生(医師)にお話ししました.先生は,さっそく幼稚園の方へ話しておきますから,ということでした.それからしばらくして病院から知らせがあり,行って話を聞いているうちに,私はそれが特殊学級であることを知り愕然としました.
私は子供のことをだれよりも知っています.医学的見地からでなく,母親として同年齢の子供といたるところで,いろんな時に観察し比較をしてきました.自分の子供が運動神経の鈍いことも,手先の無器用なことも知っています.でもそれらは特殊学級へ行くほどのものではなく,折り紙も一応できますし,家の周りでは走り回っています.それに読み書きもできました.
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