ベッドサイドの看護
ニードを発作様行動で示す患者への援助
向井 広子
1
1兵庫医科大学病院精神神経科病棟
pp.1146-1149
発行日 1981年10月1日
Published Date 1981/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919366
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はじめに
精神科の看護者は患者に接する場合,記述的接近法注)と力動的接近法の両者を心得ていて,患者の状態に応じて効果的な接近方法を選択し,活用していくことが必要とされている.我々看護者が看護活動をすすめていく過程で,患者の示す言動から患者のニードを理解することは困難な場合が多々ある.問題行動を示していることはわかっていても,その行動の奥にひそむニードの把握は非常に困難である.
今回研究対象とした事例は救急病院よりてんかん発作重積症の疑いで転院してきた患者である.入院初期の看護方針は生命の安全保持を第一とし,看護の方法は主として記述的接近法で受容しながら第6病日まで情緒を安定させることに努めた.ところが当日のケースカンファレンスでは,症状の不一致が疑問となり,その不一致は何を意味するかを探るために,第8病日目にグループ別の情報を持ち寄り検討した結果,次の2つの疑問点が挙がった.
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