特集 よりよい臨死患者のケアのために
延命の医学から生命を与えるケアへ
日野原 重明
1
1聖路加看護大学
pp.1106-1112
発行日 1981年10月1日
Published Date 1981/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919359
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死になれっこになっている医療者
患者さんの死ということに,医師や看護婦は全くなれっこになっております.仕事の合い問に食堂とか,医局あるいは病棟で,仲間同士がする会話の中で,私たちは,患者の死にどれだけの思いをはせているでしょうか.私たちに与えられた時間の中で果たしてどれだけやっているでしょうか.
何十年という長い臨床をしてきた医師・看護婦でも,受け持ち患者の死を前にして,その残された短い時間が,どういう意味を持っているかということを,仲間と一緒に語り合う時間が果たしてどれだけあったのでしょうか.このことを,私はやや挑戦的に,私の講演の最初に,みなさんに申し上げたいのであります.
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