特別記事
延命医学と有終医療—命の選択
日野原 重明
1
1聖路加看護大学
pp.246-251
発行日 1991年3月1日
Published Date 1991/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900345
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私はターミナルケアの訳として,最近“有終医療”という言葉を使っております.そして,その有終医療を述べる場合,「命の選択」という考えをその中に入れております.なぜ,命の選択というのか.まずその辺の説明をしましょう.
患者の状態がだんだん悪くなり,どのような先端医学をもってしても,命を救うことができないような時点が必ず来ます.医学も医師も患者の死を受け入れなくてはならなくなります.それは,医学の敗北であり,宿命と言えましょう.
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