今月の臨床 新生児トラブルの初期対応—産科医へのアドバイス
顔貌・体型の異常と外表奇形
3.口唇裂・口蓋裂
石川 浩一
1
,
若松 信吾
1
1東京女子医科大学第二病院形成外科
pp.302-304
発行日 1999年3月10日
Published Date 1999/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903571
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口唇裂・口蓋裂は顔面の先天性裂異常の一連疾患であるが,披裂がどの部位までか,片側か両側かにより手術の時期や方法が異なる.出生時に心奇形などの合併がなければ緊急性はない.それぞれの症状に成長を考慮した手術時期があること,手術により十分な改善が得られることを両親に説明し.患児の将来への不安に対するメンタル・ケアを行う.最近の進歩は,総合的治療が形成外科,言語療法,矯正歯科,耳鼻科,産科、小児科などのチーム・アプローチによりなされるようになったことである6).手術は整容と機能の両面を考慮して行われるが,整容と機能のバランス,新しい治療法の導入など外科医の考え方や技術が,手術の結果にかなり影響する.ここでは一般的な手術法と筆者らの考えと手術法を,口唇裂・唇裂・顎裂についてそれぞれ述べる.
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