ベッドサイドの看護 特集/食事の援助
軟口蓋裂を伴う障害児の哺乳から離乳までの食事援助
中川 君枝
1
,
大槻 信子
1
,
前原 ますみ
1
,
中村 美智子
1
,
市野 千恵子
1
1国立福井療養所1病棟西
pp.587-591
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918168
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はじめに
重症心身障害児(者)(以下,重障児と略す)について,厚生省母子衛生課では身体的・精神的障害が重複し,かつ重症である児童をいい,知能指数がおおむね35以下,身体障害は,1-2級に相当するものとなっている.また,文部省重障児研究班では,その知能障害の程度は,白痴,および痴愚に相当し,身体障害は高度で,ほとんど有用な運動ができない児童であるといわれ,両省とも,その程度を段階的に区分し,その中に重障児も定義づけられている.しかし,入所児においては,その障害の程度にある程度の幅があるようである.
私たちは,日常介護にあたりながら,身体面・精神面が重度に障害されているうえに奇型を伴う重障児に遭遇することがある.本児も軟口蓋裂を併発しているが十分な体力がなく,手術は行っていない.しかも食事は,ミルクのみで生育されていた.子供本来の成長を促すためにミルクでは,必要な栄養がとれなくなり,当然疾病に対する抵抗力も衰えてくる.
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