ベッドサイドの看護
事例を通して‘個室への移動’を考える—患者管理と死を見つめる心の動き
坂梨 秀子
1
1国立熊本病院外科病棟
pp.61-65
発行日 1981年1月1日
Published Date 1981/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919140
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はじめに
入院患者の老齢化と悪性疾患の増加は,手術適応者の高齢化をすすめ,看護の内容を質量ともに繁雑にし,日常の看護の手抜きを余儀なくする状況を生み出している.
患者数を日勤看護婦数で割り出す単純な勤務の割り振りは,時には,検査,診療の介助だけで手一杯のことがあり,それらの,どうにでも終わらねばならない仕事が,すべてに優先して行動表を埋めてしまう.そして,わずかばかりの残り時間が,本来の看護のために当てられるのである.患者は,連日の事に慣れてしまい何も言わなくなってしまう.
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