ホスピス イギリスの末期医療の現場報告・12
日本のホスピスはどのような方向を目指すべきか
柏木 哲夫
1
,
斎藤 武
2
1淀川キリスト教病院精神神経科
2聖隷ホスピス準備室
pp.1300-1305
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919115
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聖隷福祉事業団の‘ホスピス’計画とそのねらい
柏木 第1回の国際ホスピス大会に出席して,各国がそれぞれに工夫して,その国民性,国情また医療制度に合ったホスピスの持ち方をしているように思ったのですが,ひとつの国の中でも,例えばアメリカ合衆国のようにいろんな形態のホスピスがあるということがよくわかりました.そこで,日本においてホスピスの設立を考えていくときに,日本の国情に合ったというか,どのような形でそれを進めていったらいいのかということを,これから少し話し合ってみたいと思います.
ひとつの例として,私たちの淀川キリスト教病院では,建て物を持たずに,チームとしてのホスピス的な働きを,過去7年間ぐらいずっとやってきているわけです.患者さん自身はそれぞれの病棟に入院しており,ホスピスというチームというか,プログラムがあって,紹介を受けた患者さんに対して,こちらから出かけて行ってチームでケアしていくという働きをしているわけです.これはプログラムとしてのホスピスで,建て物はないわけです.
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