特集 病児と遊び
病児と遊びを見つめるなかで
内田 昌江
1
1国立小児病院
pp.1284-1287
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919112
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子どもの遊びとは,その豊かな想像力のゆえに,現実の材料の乏しさに拘束されず,無限にテーマの広がりを可能にします.そのなかで,楽しみを得るために自由な活動が展開されていきます.しかし,その本来自由であるべき活動も,病気になったり入院すると中断され,行動・環境などさまざまに制限されてきます.そうした制限のなかで,子どもたちの遊びはどのようにみていけばいいのでしょうか.
単調なベッド上安静に加え,各種の検査による苦痛のある毎日の生活の中で,欲求不満や緊張感が高まり,その解消のためにも遊びの果たす役割は大変重要です,また遊びが,無意識のうちに,その子の身体的・精神的発達,社会性の発達,情緒の安定化,自発性・自主性の獲得,知的能力の開発などに大きく関与している面を考えると,著しい成長発達が示されるこの大切な時期に入院しなければならなくなった子どもたちに,私たちは,もっと多くの働きかけをしていかなくてはならないと思います.
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