特集 看護の現場を問い直す・2
今,新しい課題に直面して……チーム・ナーシングを再び問い直す
紙屋 克子
pp.1139-1145
発行日 1979年11月1日
Published Date 1979/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918809
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はじめに
ICN東京大会以降の看護界を,プライマリ・ヘルスケア,プライマリ・ナーシングという言葉がはなやかに飛び交い始めた.今では総合看護,患者中心の看護,チーム・ナーシング,POSをしのぐ勢いで浸透しつつある.既にチーム・ナーシングからプライマリ・ナーシングへと検討が進み,看護体制を切り替えつつある施設も出てきている,
しかし,その経過や実践の状況を聞いていると,彼女たちは‘プライマリ・ナーシングの精神’を具現できるであろうか?との不安を感ずる.かつて多くの看護婦がチーム・ナーシングに抱いた幻想,すなわち‘チーム・ナーシングをすれば良い看護ができるのではないか’‘患者中心の看護はチーム・ナーシングから!’という,あの錯覚を再び繰り返すのではないだろうかとの懸念を強く覚えるのは,私ひとりではないように思う.
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