特集 医療過誤・看護事故から学ぶ
再び看護の安全性を問う
川島 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.651-655
発行日 1988年7月1日
Published Date 1988/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922030
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はじめに
看護における安全性とは,対象の生命の尊重を基盤に,まず患者が安全であること.さらに看護実践のあらゆるプロセスが安全であること.そして,その技術を提供する背景となるシステムや手順を含めて安全であること.したがって患者の病状を悪化させたり,患者を危険な状況に遇わせないことはもちろん,それ以前に予測される危険因子を排除することである.
看護事故とは,看護のプロセスで当然踏むべき手順を省略したり,専門職としてあるべき知識が欠如していたり,注意の集中を怠ったり,技術が未熟であったり,看護体制上に何か問題があることによって,人為的に患者の生命の危険や病状の悪化をもたらし,不必要な苦痛に直面させることである.また,患者だけでなく,看護婦の生命や健康が脅かされる場合もある.
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