特集 チームナーシングの功罪—現状での総括と展望
鼎談/チームナーシングに問われるもの
中西 睦子
1
,
三浦 規
2
,
稲田 美和
3
1神奈川県立衛生短期大学
2聖マリアンナ医科大学付属病院
3日本赤十字社医療センター脳外科病棟
pp.131-144
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918602
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本誌 チームナーシングが我が国に導入されて10数年を経過したわけですが,いまだにその本来の意図にそった形で機能しているとは言い難い現状にあると思います.また近年,プライマリナーシングの理念の紹介も活発に行われていますが,それを我が国に取り入れて機能させていくには,まだ現場で事前に解決しなければならない問題が多々あるように思われます.最近,看護方式を見直そうとする試みも,いくつかの病院・病棟単位で行われるようになりましたが,今日のてい談では,現場での看護の流れをいかに作っていくかという視点にたって,我が国のチームナーシングの現状での総括とこれからの展望をお話し合いいただければと思っております.
中西 チームナーシングの理念というのは,リーダーとメンバーシップによるひじょうに民主的な作業集団を構成することによって,能力の欠けている者が,頂点に立つ優れた能力を持つ者によって導かれ,ケアの質を全体的に向上させることであったわけですね.その意味で私は,ランバーセンの描いたあのヒエラルキーは,業務を遂行していく上でひじょうに意味のあるものだと認識しているんです.ただ疑問に感じていたのは,チームナーシングを日本に導入する際に,あのヒエラルキーが我が国において,形式的にではなく実質的に描けるのかという現状分析が,個々の施設レベルでどの程度なされたかということなんです.
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