ベッドサイドの看護
訴えのとらえにくい患児のニードをどう満たすか
佐藤 美江子
1
1国立療養所東栃木病院西5病棟
pp.950-954
発行日 1979年9月1日
Published Date 1979/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918769
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はじめに
重心病棟において,訴えのとらえにくい患者を,日常生活援助の中でどうとらえ患者のニードを満たすための援助はどうあるべきか,私たちはいつも悩んでいる.しかし患児がすべて無反応であるということはなく,わずかながらでも,働きかけに対し,何らかの反応を示してくれるのが当所に入所中の患児である.その患児とのかかわりの中から得た若干の経験を発表したいと思う。
私が重心病棟に配置されてから1年を経過しようとしている.最初に感じたことは,身体的・精神的に重度の障害を負わされている患児たちをばく然とながめ,子供たちと一緒に看護婦としてやっていけるかどうかという不安だった.患児たちを心からかわいいと思う日がくるだろうかと……現在私は患児とともに喜び,悲しみを感じ合える気がしている.それは正常児を看る時のそれとはほど遠いものであろうとは思うが.
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