ひとりぼっちの遊学記—働きながら学んだイギリスの看護・7
男性内科病棟と外科病棟にて
高橋 克子
1
1志村保健所
pp.770-772
発行日 1979年7月1日
Published Date 1979/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918728
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抗癌剤の副作用で毛髪の抜けてしまった患者にはかつらが支給されます
イギリスには,国民保健サービスという制度があります.入院費は無料で,サービスの中味も,日本と大きな差があります.そのサービスの恩恵で,男性病棟にひとつの面白いハプニングが見られます.
癌の化学療法でメトトレキサート(Methotrexate)という薬を使用しますと,その副作用で,特に頭髪の脱毛が見られます.これら脱毛する患者さんには,男女を問わず,希望によって,保健サービスからかつらが支給されます.大部分の患者さんは,外出する時だけかつらを使用するのですが,脱毛を気にしている人は就寝中でもこれを離そうとしません.もちろん,特に女性に多いのですが,このかつらがくせもので,ボサボサになると,それを梳(す)くのが大変なのです.
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