特集 手で思索する看護
教え,教わる場としての職場を
佐藤 忠男
pp.260-264
発行日 1979年3月1日
Published Date 1979/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918626
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仕事を教えようとしない日本の職人社会
日本の社会の重要な特色として,職場で上役が,下の者に,仕事のやり方などをあまり詳しく教えない,ということがあると思う.私は小学校を出てすぐ鉄工所に就職して以来,国鉄,電気工事店,電信電話公社,雑誌社など,大きな公社から零細企業,家内企業まで,いろんな職場を経験したが,どこへ行っても,下っ端として先輩から仕事のやり方を手をとるようにして教えられたということがない.
7年間勤めた電信電話公社や,5年間勤めた雑誌社では,しばらく働いているうちに自分の仕事を身につけ,以後は自分で仕事のペースも案配できるようになって気持ちよく働けるようになったが,仕事を身につけるまでは,毎日出勤しても,今日1日,何をしてよいのか分からない日が多くて,まったく困った.
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