特集 チームナーシングの功罪—現状での総括と展望
精神科における受け持ち制看護とその周辺を考える
柴田 恭亮
1
1鹿児島県立鹿児島保養院
pp.157-162
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918604
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
私は,ランバーセンにより提唱されたチームナーシングの概念が我が国に根を張ることには最初から疑問があった.なぜなら,移植した花を咲かすためにはそれなりの土壌が用意されていなければならない,しかるに,我が国の土壌はそれほど肥沃ではないし,看護界全体の意識もチームナーシングが必要だと感じるほど高まっていなかったからである.
豊かな土壌を育てるためには省略できないプロセスがある.これは患者に対する真剣な個別的かかわりのプロセスであり,こうした体験の積み重ねが意識を高めていくことになる.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.