ベッドサイドの看護
自分の病気を悪性と疑う患者への援助—子宮癌末期患者の事例
佐藤 登美子
1
,
伊藤 チエ子
1
,
中村 知恵子
1
,
竹田 ユウ子
1
,
南部 初巳
2
1岩手医科大学付属病院婦人科病棟
2岩手医科大学付属病院
pp.963-967
発行日 1978年9月1日
Published Date 1978/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918492
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はじめに
当病院における婦人科病棟の入院患者の大部分は,子宮頸癌患者で占められている.また,入院時には癌と知らされず,その疑いとして入院する場合が多い.癌という言葉の響きは,たとえそれが初期であっても,決して平静に受けとめられるものではなく,また,その病名を知った場合の患者の動揺は,はかり知れないものがある.
ここに紹介する事例の患者は,癌ではないかという疑いを強くもち,常に不安状態にあり,治療に対しても意欲がなく,絶望的であった.このような患者に対し,少しでも回復への意欲をもてるよう援助したいと思い,この事例を取り上げた.
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