特集 実践のなかでの体験と学び・2
患者を1人の人間としてみる眼—アメリカの看護を学んで
長浜 晴子
1
1東京都養育院付属病院
pp.812-817
発行日 1978年8月1日
Published Date 1978/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918460
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1.書くことによって自己を知るために
とてつもなく大きなこのテーマを手にした時,私が書くにはまだまだ早い年齢ではないか,と感じた.その一面,体験を語るのに年齢は無関係,その年齢で感じたことをそのまま書き表せばよいはず,という気持ちもわいてきた.‘アメリカへ行った看護婦が,現在の看護観にどのような影響をとどめて,毎日生活しているのだろう’の疑問が,私自身にぶつけられているようにも思った.
‘どんなに自己を知らずにいるか,自分の書いたものを読みかえして初めて気がつく’(ヴァレリー)の言葉と,父がよく私に話した‘体験は,書いて初めて自分のものになる’を思い出す.
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