昨日の患者
アメリカ人は訴訟好き?
pp.107
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901902
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アメリカでは何事につけても訴訟が多く,医者側も専属弁護士を雇っていることは我々もよく耳にする。まさかそこまで?と思うような最近の一事件を紹介する。26歳のアメリカ人証券アナリストから電話があり,3か月前に診てもらった眼から出血があり,弁護士と相談してアメリカまで行って診察してもらうので,弁護士から問い合わせがあるだろうと言うのだ。雲をつかむような話で,カルテを調べてみると,3か月前に流行性角結膜炎と診断し,軽快したのでもう来院の必要なしとしている。不思議に思って症状をよく聴いてみると,1週間前にハワイでサーフィンをしてから右眼が充血し,現地の眼科は混んでいたのであきらめたという。翌日診察すると,1時間前に右眼から砂が出て楽になったからもういいという。もう来なくてよいと言ったのに,別の疾患でその眼が悪くなっても,すぐ弁護士うんぬんとは,人騒がせだが,やはり訴訟が多いというのは本当のようだ。
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