脳性麻痺児の発達とその援助・1
正常児の運動・発達 1
井上 保
1
1神奈川県立ゆうかり園
pp.541-544
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918399
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はじめに
脳性麻痺児の発達とその援助の方法は,その根底に‘子供の発達を促す’ということがなければならない.正常児の運動・発達は,重力に抗して起き上がっていく連続した過程である.その特徴は,重心が高くなっていくにしたがって,支持面は逆に狭くなっていくことにある.言い換えれば,頭の位置を高くしていくことと,上肢を支持機能から解放していくことである.
1歳半ごろまでには,両足で立ってバランスをとりながら歩くことや,両手での操作ができるようになってくるが,重要なことは,その連続した発達の過程のなかで基本的な運動パターンを繰り返し繰り返し経験していることである.基本的な運動パターンとは,立位歩行を含む日常生活動作が自立するために必要なパターンであり,次の発達段階に進むうえで有益なパターンでなければならない.
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